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PLGAナノ粒子カプセルだから実現できる!

PLGAナノカプセルだからできる浸透力

辻本広行 博士(工学)

PLGAナノカプセルは、乳酸・グリコール酸共重合体(= PLGA)に様々な成分を封入したナノサイズのカプセルのことです。必要な成分を必要なところに確実に届け、その効果を持続させるDDS(ドラッグデリバリーシステム)の考え方に基付いた研究によって誕生しました。各種成分を封入したPLGAナノカプセルは、毛穴内部への高い浸透力を実現することが出来ます。
次項では、浸透力が高い理由をご説明いたします。

辻本広行 博士(工学)
Profile : ホソカワミクロン株式会社 取締役 執行役員 マテリアル事業本部長

PLGAナノカプセルは毛穴面積に対して1/2,000,000という、十分に小さいサイズのため、毛穴への浸透力が高い

毛穴の奥にある毛根に成分を届ける際、毛穴周りに存在する皮脂や汚れが成分の浸透を妨げ、毛根までたどり着かない場合があります。

PLGAナノカプセルは、用途に合わせて数十nmから数百nmのサイズに調整することができます。直径140nmのPLGAナノカプセルは、頭皮の毛穴の大きさと比較すると1/2,000,000という、十分に小さなサイズのため、たとえ皮脂汚れなどで毛穴が詰まっていたとしても、その汚れをすり抜けて毛根まで成分を届けることができます。

PLGAナノカプセルの大きさ

PLGAナノカプセルは皮膚に馴染みやすい性質のため、毛穴への浸透力が高い

PLGAナノカプセルは、水にも油脂にも馴染みやすい特徴を持っています。

毛穴入り口には皮脂膜や皮脂汚れなどの「脂」が存在しているため、「水」に溶解させただけの成分は毛穴の入り口ではじかれてしまい、毛穴の奥までは入り込みにくいのです(水と油の関係性)。また皮膚・毛穴には水分も同時に存在するため、毛穴に浸透しやすい性質とは、毛穴入り口では油脂に馴染みやすく、毛穴をすり抜けた後は水に馴染みやすい状態であることが必要不可欠です。

PLGAナノカプセルは表面をPVA(ポリビニルアルコール)という水に馴染みやすい性質をもつ成分でコーティングすることで、親油性(油脂に馴染みやすい)でありながら親水性でもあるという設計にしました。そうすることで、PLGAナノカプセルは毛穴入り口ではじかれることなく奥まで浸透していくことができます。

ナノサイズという物理的なサイズと、毛穴へと浸透しやすいという性質を兼ね備えたPLGAナノカプセルだからこそ高い浸透力と、毛穴の奥まで浸透し、毛根に配合成分を届けることができます。

PLGAナノカプセルは皮膚に馴染みやすい性質のため、毛穴への浸透力が高い

PLGAナノカプセルだからできる持続力

辻本広行 博士(工学)

水やアルコールなどに有効成分を溶解しただけの一般的な育毛剤の場合、塗布後1~2時間でその効果は消失します。しかし、PLGAナノカプセルに成分を封入した場合、カプセルから12時間以上かけて成分を放出することができるため、アプローチしたい部位に持続的に成分を届け続けることができます。
なぜPLGAナノカプセルは持続力が高いのか、このページで解説いたします。

辻本広行 博士(工学)
Profile : ホソカワミクロン株式会社 取締役 執行役員 マテリアル事業本部長

カプセルに成分を封入しているので、成分を持続的に放出することができる

水やアルコールに成分を溶解させただけの場合、毛穴の中での有効成分の効果は短時間で終わってしまいます。しかし、PLGAナノカプセルに有効成分を封入した場合は、毛穴の中に到達後、PLGAナノカプセルから有効成分が徐々に放出されていくため、効果を持続させることができます。

PLGAナノカプセルは水分によって分解し、成分を12時間以上放出し続ける

PLGAナノカプセルは水分によって分解する性質をもっており、カプセル自体が徐々に分解することで中に封入されている成分が放出されます。

これには、PLGAナノカプセルの構造に秘密があります。
PLGAナノカプセルは、空洞になっている中に成分が封入されているようないわゆるカプセルのような構造ではなく、糸状のPLGA分子・約48,000本を丸めた毛糸玉のような球形になっています。糸状のPLGA分子が体内の水分によってゆっくり分解することで、徐々に成分が放出されるようになっています。

PLGAナノカプセルは水分によって分解し、成分を12時間以上放出し続ける

このような特徴により、PLGAカプセルに有効成分を封入すると、カプセルは毛穴の奥まで到達し、その場所での成分の放出が長時間持続するということです。

PLGAナノカプセルだからできる安全性

辻本広行 博士(工学)

「毛穴に入った後、最終的にPLGAカプセルはどうなるの?」などのお問い合わせをいただくこともあります。そこで、このページではPLGAナノカプセルの安全性について解説いたします。

辻本広行 博士(工学)
Profile : ホソカワミクロン株式会社 取締役 執行役員 マテリアル事業本部長

PLGAナノカプセルは体内に存在する成分をベースに作られている

PLGAは、体内にも存在する成分を元に作られているので安全です。

PLGAは生体内に含まれる「乳酸」と「グリコール酸」がランダムに結合してできており、水の存在下で加水分解し、乳酸とグリコール酸に分解します。この特徴を利用して、抜糸しなくてもよい手術の縫合糸(分解して生体に吸収されるする糸)として、古くから医療分野でも活用されています。また、体内に吸収されたとしても最終的には水と二酸化炭素に分解され、体外に排出されるため、体内蓄積性もなく安全性に非常に優れた材料です。

PLGAナノカプセルは安全性が証明されている

PLGAナノカプセルは、化粧品原料としての各種安全性試験でも安全性が証明されており、既に化粧品や医薬品として多くの製品で使用されています。(FDA認可、医薬部外品・添加剤として承認取得済み)

上記より、PLGAカプセルは理論上も、実際上も安全であるといえる技術です。

PLGAナノカプセルは安全性が証明されている